辣腕海運王は政略妻を容赦なく抱き愛でる【極上四天王シリーズ】
「えっと、もう大丈夫なので。行ってくださってけっこうです。ありがとうございました」
すると、私の言葉が思いがけなかったのか、涼しげな目が大きくなった。
「君は……」
「あなたはクルーズ船のツアー客ではないですよね?」
オレンジシャーベットのサンドレスの左胸の上に貼ってあるシールを示す。
ツアー客は胸の辺りに指定のシールを貼っているが、彼にはない。
「いや、そうだ」
「でも、シールが……」
彼はボディバッグを体の前にしてツアーシールを見せた。
「あ……すみません。お見かけしたことがなかったので」
こんなかっこいい人、クルーズ船にいた? 見かけていたら絶対に忘れないだろう。
白いTシャツを着て、カーキの細身パンツの裾をロールアップしている。
三十代前半から真ん中くらい……?
先ほどの外国人男性と二時間過ごすのは嫌だったが、成り行きとはいえ、会ったばかりのこの男性とも長い時間過ごすのは疲れそうだ。
「あの、席を移動します。ありがとうございました」
もう一度お礼を言い、立ち上がる。
「俺がいなくなったら、あの男がやって来るぞ? 今もチラチラうしろを見ている」
そう言われて外国人男性の方を見ると、彼がちょうど振り返ったところだった。
目と目が合ってしまい、小さくため息を漏らしもう一度座った。
「それにもう空いている席もないな」
すると、私の言葉が思いがけなかったのか、涼しげな目が大きくなった。
「君は……」
「あなたはクルーズ船のツアー客ではないですよね?」
オレンジシャーベットのサンドレスの左胸の上に貼ってあるシールを示す。
ツアー客は胸の辺りに指定のシールを貼っているが、彼にはない。
「いや、そうだ」
「でも、シールが……」
彼はボディバッグを体の前にしてツアーシールを見せた。
「あ……すみません。お見かけしたことがなかったので」
こんなかっこいい人、クルーズ船にいた? 見かけていたら絶対に忘れないだろう。
白いTシャツを着て、カーキの細身パンツの裾をロールアップしている。
三十代前半から真ん中くらい……?
先ほどの外国人男性と二時間過ごすのは嫌だったが、成り行きとはいえ、会ったばかりのこの男性とも長い時間過ごすのは疲れそうだ。
「あの、席を移動します。ありがとうございました」
もう一度お礼を言い、立ち上がる。
「俺がいなくなったら、あの男がやって来るぞ? 今もチラチラうしろを見ている」
そう言われて外国人男性の方を見ると、彼がちょうど振り返ったところだった。
目と目が合ってしまい、小さくため息を漏らしもう一度座った。
「それにもう空いている席もないな」