辣腕海運王は政略妻を容赦なく抱き愛でる【極上四天王シリーズ】
「実は、船室からほとんど出ていないんだ。最初の頃は船酔いで、その後は仕事をしていた」
「船酔い? 大変でしたね。それにせっかくのクルーズの旅なのにお仕事をされていたなんて」
「ああ。初日はずっと横になっていた。君は、船酔いはなかった?」
「はい。まったく。サイパンに到着したときに自分の体が揺れているように感じて嫌な感覚でしたが、すぐに治まりました」
「君はひとりのようだが?」
初対面の人に詳しく自分のことを話さない方がいいだろう。
「いいえ。祖父母と一緒なんですが、キュランダには興味がなくて、今日はケアンズの市内観光をしています」
コウさんはわかったというように、軽くうなずいた。
「クルーズ船に男性ひとりは珍しいと思うのですが?」
「旅行会社で働いていて、視察中なんだ」
「そうだったんですね! ありがとうございます。理解できました」
仕事で視察中とあれば、彼の話は納得だ。
それからコウさんは腕組みをして目を閉じたので、私は窓の外の景色に集中することができた。
あの外国人男性だったらなにかと話しかけられて、ゆっくり景色を見られなかったかもしれない。
キュランダ駅へ着くまで二カ所の滝を通りスマホで写真を撮ったが、コウさんは興味がないのかずっと目を閉じていた。
乗り物酔いをしているのかな……?
「船酔い? 大変でしたね。それにせっかくのクルーズの旅なのにお仕事をされていたなんて」
「ああ。初日はずっと横になっていた。君は、船酔いはなかった?」
「はい。まったく。サイパンに到着したときに自分の体が揺れているように感じて嫌な感覚でしたが、すぐに治まりました」
「君はひとりのようだが?」
初対面の人に詳しく自分のことを話さない方がいいだろう。
「いいえ。祖父母と一緒なんですが、キュランダには興味がなくて、今日はケアンズの市内観光をしています」
コウさんはわかったというように、軽くうなずいた。
「クルーズ船に男性ひとりは珍しいと思うのですが?」
「旅行会社で働いていて、視察中なんだ」
「そうだったんですね! ありがとうございます。理解できました」
仕事で視察中とあれば、彼の話は納得だ。
それからコウさんは腕組みをして目を閉じたので、私は窓の外の景色に集中することができた。
あの外国人男性だったらなにかと話しかけられて、ゆっくり景色を見られなかったかもしれない。
キュランダ駅へ着くまで二カ所の滝を通りスマホで写真を撮ったが、コウさんは興味がないのかずっと目を閉じていた。
乗り物酔いをしているのかな……?