辣腕海運王は政略妻を容赦なく抱き愛でる【極上四天王シリーズ】
　車を乗り換えてだなんてどこへ行くのだろう……？

　運転席のうしろに私とコウさんは乗り込んだ。背後にも席があるが、ドアは外から閉まり、運転席に大柄な男性が座った。

「シートベルトを」

　言われるままにシートベルトを装着して、車は動きだした。

　熱帯雨林の中へ入っていく。しかも道なき道に見える。ヘッドライトが明るく行き先を照らしているが、頑丈な４ＷＤ車はデコボコの道を難なく走る。だが、中にいる私たちは左右、上下に体が激しく揺さぶられる。

「こ、これは？」

　すごい道を走行する車にびっくりしているが、楽しい。

「熱帯雨林をオフロード車で走るアクティビティだ。人気のオプショナルツアーだよ」

「楽しいですっ！」

　運転に慣れていなければこんな道を走るなんてできそうにないが、この車ならぶつかってもけがはしなそう。

　ぐらんぐらん体は揺さぶられ、「きゃーっ」と叫びながらも笑ってしまう。

「川へ入りますから、気をつけてください」

　運転手が英語で注意する。

　次の瞬間、４ＷＤ車は下降し、泥水で綺麗とはいえない川が見えてきた。川に突っ込む瞬間は、絶叫マシーンに乗っているかのようにギュッと目を閉じてしまった。



　少しして４ＷＤ車が停車して降ろされた。

　次はなんなのだろう？と、楽しみでワクワクする。

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