辣腕海運王は政略妻を容赦なく抱き愛でる【極上四天王シリーズ】
 スタッフに案内された場所は柵の中で、そこにはたくさんのカンガルーがいて、目を丸くする。

「餌をあげられる」

「うわっ、あげてみたかったんです」

 餌が手のひらにのせられて、一匹の小さめのカンガルーに近づく。初めてなのでちょっと怖くて、おそるおそる手を差し出すと、カンガルーは食べてくれた。

 よそのオプショナルツアーの外国人の参加者もいて、餌をあげている。

「かわいいですね。そうだ! 写真を撮らなきゃ」

 トートバッグからスマホを取り出して、カンガルーをたくさん写す。

「撮ってあげる。スマホを貸して」

「ありがとうございます」

 スマホをコウさんに手渡して、カンガルーと一緒に撮ってもらった。

「そろそろ食事にしよう」

「はい」

 ツアースタッフにより、私たちはすぐ近くにある山小屋風のオープンテラスのあるレストランへ案内されて、ステーキを堪能した。

 ワニやカンガルーのステーキもあったが、私とコウさんはオーストラリアンビーフを選び、熱帯雨林に囲まれた場所での食事を楽しんだ。

「素敵な場所に連れてきてくれてありがとうございました」

 食事が終わり、缶ビールを片手にテラスの柵に寄りかかって満天の星を眺める。

「喜んでもらえてよかった」

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