辣腕海運王は政略妻を容赦なく抱き愛でる【極上四天王シリーズ】
四、思いがけなく楽しい豪華客船の旅
翌日、目を覚ましたのはお昼を過ぎていた。

 ベッドで体を起こすが、日に焼けた肌のヒリヒリ感と久しぶりに泳いだのとで全身が筋肉痛だ。

「いたたた……」

 船内でヨガに参加したりジムへ行ったりして体を動かしてはいたけれど、まだまだ運動し足りなかったようだ。

 コウさんも筋肉痛かな……いや、きっと違う。普段から鍛えているに違いない。

 そうよね、あの体躯は鍛えていなければつくれないもの。

「はぁ……」

 目が覚めてすぐにコウさんのことを考えちゃうなんて……。

 そのとき、ぐぅ……とおなかが鳴った。

「着替えて食べに行こう!」

 お昼を食べている間に、二日間の洗濯物をランドリーで洗濯機を回さなきゃ。

 まだ火照っている肌にローションを塗ってから、ノースリーブのライム色のワンピースを身に着けて、これから洗う衣服を入れた袋を持って部屋を出た。

 セルフサービスのランドリールームから、和食レストランがあるすぐ上のデッキへ歩を進めた。

 入店し、窓際の席に案内されて紺碧の海を眺める。

 クルーズ船はケアンズから南下しシドニーへ向かっているが、雲が厚くてどんよりとした天気だ。一昨日と昨日が晴れていてよかった。

 天ぷらの五種盛りとざるそばのセットが運ばれてきた。

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