辣腕海運王は政略妻を容赦なく抱き愛でる【極上四天王シリーズ】
「それはどうも」
サラッと認めるコウさんにだんだん怒りの矛先が彼に向く。
テーブルを両手のひらでバシッと叩く。
「風呂敷を頭からかぶるとか、猫背で歩くとか、そのイケメン度を下げれば誰も近づいてきませんよ」
自分の口から出た言葉におかしさが込み上げてくるが、コウさんを睨みつける。
「おいおい、昼間からアルコールでも飲んでいるのか? 風呂敷をかぶったやつなんて不審者だろ。猫背も体に悪い。いいじゃないか、和泉が俺の彼女なんだから」
「彼女じゃなくて、彼女のふりです」
「わかったわかった。ところで、今夜船長主催のパーティーがあるだろう? 一緒に出てくれないか? 祖父母と申し込みをしていた?」
ウエルカムパーティー以来、横浜港を出航してから何回かあったが、いまだに出席していない。ひとりだから参加しづらかったのだ。
私は首を左右に振る。
「申し込みはしていません。今日の分は締めきっていますよね?」
「ひとりやふたりの追加は問題ないだろう。祖父母は君がいなくても大丈夫か?」
そこでコウさんに、祖父母がいると嘘をついていたうしろめたさに襲われる。
祖父母はおらずひとりで参加していると言ったら、この豪華客船にいる理由も話してしまいそうだ。
今はまだ……。
「はい。大丈夫です」
考えていることが表情に出ていたのだろう。
サラッと認めるコウさんにだんだん怒りの矛先が彼に向く。
テーブルを両手のひらでバシッと叩く。
「風呂敷を頭からかぶるとか、猫背で歩くとか、そのイケメン度を下げれば誰も近づいてきませんよ」
自分の口から出た言葉におかしさが込み上げてくるが、コウさんを睨みつける。
「おいおい、昼間からアルコールでも飲んでいるのか? 風呂敷をかぶったやつなんて不審者だろ。猫背も体に悪い。いいじゃないか、和泉が俺の彼女なんだから」
「彼女じゃなくて、彼女のふりです」
「わかったわかった。ところで、今夜船長主催のパーティーがあるだろう? 一緒に出てくれないか? 祖父母と申し込みをしていた?」
ウエルカムパーティー以来、横浜港を出航してから何回かあったが、いまだに出席していない。ひとりだから参加しづらかったのだ。
私は首を左右に振る。
「申し込みはしていません。今日の分は締めきっていますよね?」
「ひとりやふたりの追加は問題ないだろう。祖父母は君がいなくても大丈夫か?」
そこでコウさんに、祖父母がいると嘘をついていたうしろめたさに襲われる。
祖父母はおらずひとりで参加していると言ったら、この豪華客船にいる理由も話してしまいそうだ。
今はまだ……。
「はい。大丈夫です」
考えていることが表情に出ていたのだろう。