辣腕海運王は政略妻を容赦なく抱き愛でる【極上四天王シリーズ】
 クルーズ船は出港時、その土地の食材を入荷するようで、今回もケアンズから新鮮な魚介類を仕入れている。レストランお勧めの新鮮な魚介類のパスタとサラダを食べて、一時間くらい船内をぶらぶらしてからプールとジャグジーを楽しんだ。

 ここのプールではビキニを着ている女性はいなかったので、Tシャツを身に着けたまま泳いだり、ジャグジーに入ったりした。

 シドニーに入港する前日の夕食後、私たちはカフェでくつろいでいた。

 白いプラスチックのビーチベッドにコウさんと並んで座り、私たちの間のテーブルにはビールとノンアルコールのカクテルのグラスがある。

 カクテルのグラスにはパイナップルが添えられている。

「コウさん、シドニーを案内してくれる約束ですよね?」

 この三日間、彼は午前中に仕事をして、午後からは私と一緒に船内のあらゆるところで遊んでくれていた。そんな時間を過ごし、コウさんは私の本当の恋人なのではないかという錯覚に陥りそうになる。

「もちろん、忘れていないよ」

「よかった。でも、お仕事は大丈夫ですか?」

「ああ。十時に下船しよう。夕食はロケーションのいいところへ行こうと思うんだが?」

「本当ですかっ? わかりました! 楽しみにしていますね」

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