恋の方程式。(短編)
「あっ、葵。寝る前だったよね、ごめん。ちょっと外で話せる?」
「う、うん大丈夫だよ!」
多分今日の昼の件だ。
どうしよう。なんて言おう。
そんなことを考えながら結衣についていく。

「葵、やっぱり春翔くんのことが好きなの?
今日田口くんが言ってたのは葵のいとこの晴人くんの話じゃないよね。」
「……」
私は何も言えなかった。
「葵があの時…いとこの晴人くんだって言ってた時は信じてたよ。」
結衣が真剣な顔をして話し始めた。
「でも、さっきの聞いてたらなにが正しいのかわからなくなっちゃった。」
「だ、だから!田口くんのは奏が教えたんじゃないかな!」
「でも、田口くん、晴人って呼び捨てにしてた。いくら葵のいとこでも知らなかったら呼び捨てにしないよね?」
「それは…それは結衣の意見でしょ!」
「違うよ!」
落ち着いていた私たちはいつの間にか言い合いのようになっていた。
「もう、葵のこと信じれないよ…」
そう言い捨てて結衣はホテルに戻ってしまった。

いつかこうなるような気はしてた。
まさかこんなに早くになるなんて思ってもいなかった私は今までにないくらい動揺している。
その日は全く寝付けなかった。
明日になったら結衣は普通に話しかけてくれるかな、なんてことを考えながら深夜2時私は眠りについた。
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