恋の方程式。（短編）

修学旅行２日目

今日は昨日と同じように班での行動が多い。
私は結衣と春翔と歩いていた。
少し前には奏と田口くん、吉田くんが仲良く話している。
実は奏と吉田くんは両思いだとか噂が立ってたなぁ〜なんてこと思い出しながら。

「…い。葵！」
「あっ、ごめん。どした？」
結衣が話しかけてくれているのに気づかず驚いてしまった。
「もー！話聞いてなかったでしょー‼︎」
「わー、ごめんって‼︎」
「2人とも仲良しだな笑」
結衣といつものように戯れているところに春翔が入ってきた。
「でしょー！私たち親友だからね！」
結衣が自慢げに言う。
私はちょっと複雑な気持ちだった。

観光を始めて30分
前にいたはずの奏たちがいなくなっていた。
「あれ？はぐれたかな…」
「ぽいな」
まぁ後で合流すれば良い。
そう思いながら3人で食べ歩きをした。
楽しかった。やっぱり2人はお似合いだ。

「そっかー、やっぱり葵ちゃんは春翔のこと好きなのか〜」
「いいなー、春翔の奴。一途に想ってもらっちゃって。」
「じゃあもっとモテるように努力しなよ。」
聞き覚えのある3人の声。
奏たちだった。

「田口？」
春翔が話しかける。
「え？」
「おー！春翔ー！ぬるっと合流したな！」
男子軍はなんとも思ってなかったみたいだけど、私たちの間には重たい空気が流れた。

バスの中
結衣とは隣だったけどホテルに着くまで一言も喋らなかった。

運が良いことに２日目のホテルは結衣と別の部屋になっていた。
結衣はどう思ってるだろうと思いながらも安心している自分がいた。

入浴後
コンコン
部屋にノック音が聴こえてきた。
（奏かな…）
「はーい」

ドアの前に立っていたのは結衣だった。