貴方が拾ってくれた恋
次の日の昼休み。
俺は遥斗についてきてもらって、持ち主の女の子がいるであろう、和樹の教室へ向かう。

「おー、和樹」

たまたま廊下に出てきた和樹に声をかける。

「あ、想太先輩、こんちは」
「ちわっす、なー、遠山さん、だっけ。昨日言ってた子、いる?」
「えっとー、待ってくださいね」

教室を覗く和樹を、どこか浮き足立つような気持ちで眺めていると、

「お前、ニヤついてね?」

と、遥斗に言われてしまった。

「んなことねーし」

「あ、いますよ、呼びましょーか?」
「うん、ありがとね」
「いーえ。…なんか先輩、ニヤニヤしてません?」

和樹にも同じことを言われてしまった。

「ほら、やっぱそうじゃん」

遥斗に小突かれる。やべ、ニヤけんな、俺...。
< 10 / 15 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop