貴方が拾ってくれた恋
想太side
4月。強めの春風が吹いている日。友達の遥斗と歩いていた俺は、廊下に何かが落ちているのを見つけた。
「何これ、ハンカチ?」
「おー、女子のじゃね」
確かに遥斗の言う通り、桜色のそのハンカチは、可愛らしく、女子のもののようだった。広げてみると、ふわっと、どこか懐かしいような匂いがした。そして、筆記体のあアルファベットの刺繍。
「なんか、刺繍してある」
「なに?名前?」
「多分。えっと、r、e、i、ドット、t」
「れい?」
「うん、れい、だよな」
れい。どこかで聞いたことのある気がするその名前と、どこかで嗅いだことのあるそのハンカチの匂いを、俺はいつの記憶のものなのか思い出せなかった。
「何これ、ハンカチ?」
「おー、女子のじゃね」
確かに遥斗の言う通り、桜色のそのハンカチは、可愛らしく、女子のもののようだった。広げてみると、ふわっと、どこか懐かしいような匂いがした。そして、筆記体のあアルファベットの刺繍。
「なんか、刺繍してある」
「なに?名前?」
「多分。えっと、r、e、i、ドット、t」
「れい?」
「うん、れい、だよな」
れい。どこかで聞いたことのある気がするその名前と、どこかで嗅いだことのあるそのハンカチの匂いを、俺はいつの記憶のものなのか思い出せなかった。