きら×うさ〜想いがつながる7日間〜
予想外の割り方に生徒達がざわめき出した。

さすが世界の七海夫婦。一枚上手だった。

タダより高いものはないと言うけれど、やっぱり心は揺らぐもの。隣にいる彼女も心なしか目をキラキラさせている。

笛が鳴り、ゲームが始まった。足元にあった風船を拾ってお腹に挟む。

しかし……。


「わわっ」

「ごめんっ。大丈夫?」

「は、はいっ」


思うようにいかず苦戦する。強く押すと相手がよろめくから力加減が難しい。

いい方法はないかと考えていると、突然吉良さんの肩が震え出した。


「どうしました? どこか具合でも……」

「いや、その……風船の擦れる音が、おならの音に聞こえてきちゃって……」


ふふふと小さく声を漏らす吉良さん。

おなら……小学生男子かよ……。

本当に大丈夫なのか? もし3年後結婚して、妻で秘書って心配なんだけど……。

力を込めるも、なかなか割れず。それどころか、肩の震えは大きくなっていく。

ダメだ。このままだとつられて俺までツボに入ってしまう。
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