きら×うさ〜想いがつながる7日間〜
お隣さんは鬼とワンコ?
「おはよう、吉良さん」

「あっ、おはよう!」


午前6時半。キッチンでお湯を沸かしていると、宇佐くんが起きてきた。


「今日も早いね」

「それは宇佐くんもでしょ!」


高校生4日目。最初はぎこちなかった私達だけど、ようやく敬語が外れてタメ語を使うようになった。

きっかけは多分、共通の趣味かな。距離が縮まるかもと思って、昨日オススメの本を交換したんだ。

ただ、読み慣れてないジャンルだったから、まだ1冊しか読めてないんだよね。登校前に少し読み進められたらいいな。


「吉良さん、本ありがとう。机の上に置いておくね」

「はーい」


マグカップにお湯を注ぐ手を止めて視線を上げる。

えっ、あの本の山ってまさか……。


「もう全部読んだの⁉」

「うん」


貸したはずの本が全部机の上に置かれ、目を見開く。

私が1冊読んでる間に3冊も読んだの⁉


「読むのも速いんだね……」

「よく言われる。でも、風水の本は初めて読んだから時間かかったほうだよ」
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