きら×うさ〜想いがつながる7日間〜
階段を上がるにつれて、胸の鼓動が加速していく。

男兄弟がいるから異性との同居には慣れてるけど……相手の男の子とは今日が初対面。

友達ができるか、ホームシックにならないか。
そっちの不安よりも、同居人がどんな人なのかが気になって仕方がない。

ヤンキーとかチャラい人だったらどうしよう。


なんて考えている間に目的の階に到着。歩を進め、401号室のドアの前にやってきた。

受付の人が言うには、すでに相手は来ているとのこと。

深呼吸を数回繰り返し、心の準備を整えてインターホンのボタンを押す。

──ピーンポーン。


「はーい」


すると、返事と一緒に足音が聞こえてきてドアが開いた。

うわぁ、かっこいい……。

サラサラの黒髪に大きな目。出迎えてくれたのは、白馬に乗った王子様のような男の子だった。

……って、うっとりしてる場合じゃない。まずは名乗らないと。


「はじめまして。今日からお世話になります、吉良菜々夏です」

「こちらこそ。宇佐紫月です。よろしくお願いします」
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