きら×うさ〜想いがつながる7日間〜
胃袋を掴もう作戦
翌日。5教科の学力テストを終えて帰宅した後、お財布とエコバッグを持ち、急いで部屋を出た。

エレベーターで1階に下りて、エントランスホールのソファーに座る。

もうそろそろかな。


「菜々夏ちゃーん!」


スマホの時計を見ていると、エレベーターの開閉音と同時に私の名前を呼ぶ声が聞こえた。


「美沙子ちゃん! こっちこっち!」

「遅れてごめんね〜!」


小走りで駆け寄ってきたのは、お隣さん兼クラスメイトの鬼丸さん。

学校でも寮でもご近所さんだから、親しみも込めて下の名前で呼び合うことになったんだ。


「ううん! 私もさっき来たところだから! それじゃあ、少し早いけど行きますか!」

「うん! レッツゴー!」


小さく拳を上げる。

今日は遠足に向けての特訓の日。これから2人でカレーの材料を買いに行くのだ。

寮を出て近所のスーパーへ向かう。


「えっ、バレそうになってたの⁉」

「そうなの。平常心は保ってたんだけど、なんか感じ取ったみたいでさ」
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