きら×うさ〜想いがつながる7日間〜
暴かれた過去 紫月side
「う……紫月くん、本ありがとう」


全身鏡の前で制服のネクタイを締めていると、吉良さ……菜々夏さんが本を渡してきた。


「遅くなってごめんね」

「ううん。俺のほうこそ、難しくなかった?」

「ちょっとだけ。でも、すごく勉強になったよ! 利益の出し方とか、表の作り方とか、あとは……」


一生懸命話す姿が可愛らしく思えて、笑みがこぼれそうになった。

高校生6日目。
昨日の鬼丸犬塚ペアとの食事会をきっかけに、俺達は下の名前で呼び合い始めた。

けど、まだ見ての通り少しぎこちない。

今まで女子を……というか、関わってきた人は全員名字で呼んでいたから慣れないんだよな。

でも、仮にもカップルなんだし、いつまでも名字呼びじゃ距離は縮まらない。
こればかりは時間をかけて慣れていくしかなさそうだ。


登校準備を終えて、彼女と一緒に学校へ向かう。


「今日の授業、何するんだろうね」

「1時間目は体育館で動画観るみたいだよ。メール見てない?」

「メール⁉」
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