きら×うさ〜想いがつながる7日間〜
慌ててかばんを漁り始めたき……菜々夏さん。

昨日の夜に学園長から届いてたんだけど、読書に夢中で気づかなかったのかな。

昇降口に着き、下駄箱で靴を履き替える。

すると、隣から「し、紫月くん」とぎこちなく名前を呼ばれた。


「スマホ、部屋に置いてきちゃったみたい。取ってくるね」

「わかった。鍵は持ってる?」

「うん。先行ってて」


そう言い残すと、踵を返して小走りで戻っていった。1人で校舎に入り、階段を上がって教室へ。


「あっ、宇佐くんおはよ!」

「おはよう!」

「ん。おはよう」


ドアを開けるやいなや、犬塚くんと鬼丸さんが元気な挨拶で迎えてくれた。


「あれ? 菜々夏ちゃんは?」

「スマホ忘れて取りに帰ってる。またSNS見てたの?」

「おぅ! 宇佐くん達も載ってたよ!」


こっちこっちと手招きする犬塚くん。
席に座り、彼のスマホを覗き込む。


「これって……昨日の?」

「そう! 知らん間に撮られてた」
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