きら×うさ〜想いがつながる7日間〜
「なんでわかったの?」

「なんとなく、声が震えてた気がして。お相手さんの雰囲気が良くなかったのもあるけど。それに……昨日も少し元気なさげだったから」


鋭い観察眼に驚きつつも、最後の言葉に胸が締めつけられた。

……そっか。口調に表れてたのか。気を遣わせて申し訳ないことしたな。


「さっきの人……元同級生?」

「……うん」


もう全部話そう。
この人はただの同居人じゃない。近い将来、俺の生涯のパートナーになるかもしれない人だ。

彼女のためにも、全部打ち明けよう。


「畠中とは中学時代、首位争いをしていたクラスメイトだったんだ」


当時から成績優秀だった畠中。
しかし、やや人間性に欠けており、根も葉もない噂や陰口をよく言っては、俺の成績を落とそうとしていた。

何度も心が揺さぶられたが、卑怯者に負けたくないと一心不乱に勉強した。

しかし──。


「だけど、中2の頃に親の会社が倒産して。中3に上がる時に転校したんだ」
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