きら×うさ〜想いがつながる7日間〜
私だけの王子様
待ちに待ったデート遠足当日。

──コンコンコン。


「入っていい?」

「どうぞー」


洗面所で髪の毛を整えていると、体操服姿の紫月くんが入ってきた。


「おはよう!」

「おはよう。今日も早いね」

「遠足が楽しみで。あとカレーも!」

「わー、朝から食欲旺盛だね」


鏡越しに会話しつつ場所を譲る。

あ、寝癖発見。ツノみたいになってて可愛い。

口角を上げたまま眺めていると、紫月くんの後頭部に糸くずが付いているのを見つけた。


「紫月くん、ちょっと待って」


ヘアバンドを付けようとする彼を止めて糸くずに手を伸ばす。

よし、これで絡まる心配はなくなった。


「ゴミ付いてたよ」

「あっ、本当? ありがとう」


鏡越しに合っていた視線が至近距離でぶつかり、ドキッと心臓が鳴った。


「ど、どういたしまして。ご飯の準備、始めとくねっ」
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