きら×うさ〜想いがつながる7日間〜
早口で言い残し、逃げるように部屋を後にした。深呼吸をして高鳴る胸を落ち着かせる。

昨日、過去を打ち明けてくれた紫月くん。
それで心の壁が消えたのか、以前よりも表情が柔らかくなった。

頭ポンもときめいたけれど、それ以上に、あの優しい笑顔が脳裏に焼きついて……。


『……ありがとう』


なんて考えてたら、また思い出して、顔がボンと熱くなった。

ダメダメ! 今日は特訓の成果を見せる日なんだから! しっかりするんだ!

自分に活を入れて朝食作りに取りかかった。



1時間半後。いつも通り支度を終えて部屋を出た。


「え⁉ 全クリ目指してるの⁉」

「うんっ。前回迷路だけクリアできなかったから。今度こそ脱出してやる!」


やる気満々の美沙子ちゃん。
エレベーター待ち中に合流して、今一緒に駐車場に向かっているところ。


「宇佐くん、今日は美味しいご飯作ろうな!」

「うん。頑張ろうね」


そんな私達の後ろで、男子2人は仲良くグータッチをしていた。
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