きら×うさ〜想いがつながる7日間〜
元同級生による暴露があったけれど、関係は変わらず良好。

というのも、実は倒産したのは子会社のほうで、親会社は健在とのこと。

私達が教室を出ていった後、犬塚くんが急いで調べてくれたみたいなんだ。

おかげで紫月くんが嘘つきでないと証明されて、騒動は最小限で収まった。

仲が深まったのは良かったんだけど……。


「ごめん菜々夏さん。ちょっとだけ、肩借りてもいい?」


バスに乗り込むやいなや、隣に座った紫月くんが口を開いた。

肩ってことは、多分……。


「うん……いいよ」

「ありがとう」


少し戸惑いながらも了承すると、肩に頭が乗っかった。

……昨日の疲れがまだ取れてないのかな。

昨日の騒動で転校前の学校が気になって、畠中くんの出身校を調べたら、なんと大学付属の私立でかなり偏差値の高い学校だった。

もたれかかっている彼の寝顔を見つめる。

過去を打ち明けてくれた。それはパートナーとして信頼されている証。

だけど……私とは生きてきた世界が違いすぎて。

距離は縮まったはずなのに、遠い存在の人のように感じている自分がいるんだ──。
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