ハードリップ/オンナ上司はタラコ唇~♥
代わりのオンナ



「…へえ、そうなの。新しい口紅の試供品プロジェクトのチーフで全国の支社を回ってるんだ…。若いのにスゴイじゃん、トシヤ…」


「ハハハ…、それが張り気過ぎちゃって、PT発足一か月で謹慎だよ。そんで、気分もどっとブルーってことで、サヤカに慰めてもらいたくてさ。…ああ、これがその試供品の実物だよ。一本やるわ」


「わー、サンキュー‼」


サヤカはトシヤからレジェンヌの試供品を受け取ると、さっそくリップを剥き出しにして、いろんな角度から見回している。
まるでおもちゃを与えられたコドモのように、無邪気な表情で…。


「へー、かわいいじゃん…、これ」


「ああ…。それの初塗り、オレの前でいいか?今じゃなくてさ…」


「…わかったわ」


サヤカはちょっとすました顔でそう言ったあと、レジェンヌにキャップを戻し、テーブルに立てて置いた。
その様を代わりのオンナ



「…へえ、そうなの。新しい口紅の試供品プロジェクトのチーフで全国の支社を回ってるんだ…。若いのにスゴイじゃん、トシヤ…」


「ハハハ…、それが張り気過ぎちゃって、PT発足一か月で謹慎だよ。そんで、気分どっとブルーってことで、サヤカに慰めてもらいたくてさ。…ああ、これがその試供品の実物だよ。一本やるわ」


「わあ、サンキュー!」


サヤカはトシヤからレジェンヌの試供品を受け取ると、さっそくリップを剥き出しにして、いろんな角度から見回している。
まるでおもちゃを与えられたコドモのように、無邪気な表情で…。


「へー、かわいいじゃん…、これ」


「ああ…。それの初塗り、オレの前でいいか?今じゃなくてさ…」


「…わかったわ」


サヤカはちょっとすました顔でそう言ったあと、レジェンヌにキャップを戻し、テーブルに立てて置いた。
その様をトシヤはやや口元を崩し、意味ありげな目つきでひと眺めすると、テーブルに両肘をついてサヤカの方へ首をすっと伸ばした。


***


「サヤカ、そのビジュアルな…、オレ的には性的に欲情した男のアレなんだ」


「えっ…?アハハハ…❕ズバリきたねえ、アンタさ」


「まあ、社内的には当然そんなの口に出して言えないけど、要はさ、コイツを塗った口紅見て、世のオトコどもがセックスアピールを強く感じてもらうって視点は今回のキャンペーンでしっかり添えてる訳…」


「ふーん…。じゃあ、これ、エレクト・リップってとこね」


サヤカは立ててあるレジェンヌの最先端部を右手の指三本でそっと触れると、そのまま優しく数度撫でて見せた。
ニヤッとした目で正面のトシヤを見つめながら…。


そしてトシヤはこう胸の中で呟くのだった。


”まあ、それを言うなら、オレとしてはリップ・エレクトかな…(苦笑)”


***


「でも、そのトシヤの切り口、いいんじゃない?…”厚手のあなたをキレイ塗り”か…。実際は、たらこ唇の女性を美しくってメッセージでしょ?」


「うん。最初考えたキャッチは”厚手のあなたをキレイに塗る!”だったんだけどね。営業部から、こっちの方がユーザーに”突き刺さる”って言われて。まあ、確かにだわな(笑)」


「それで、各支社ごとに試供品100本を配るキャンペーンモニターを募集して、今この関西支社のHPに映ってる唇の主のお顔はキャンペーン終了後、一斉公開ってことね?」


「はは…、その間は各支社でその地域にマッチングした発信アピールを盛り込んでね。関西支社はさ、迷うことなくチャットをメインに据えたよ」


「ハハハ…、トシヤ、それ大正解っしょ?何て言ってもコメント、もろ関西弁だもんね」


「まあな。その目の付け所では、仙台支社もチャットなんだけど、支社サイドにはあえて東北訛りを使って投稿してもらうよう、ユーザーにはいろんな角度でPRして働きかけしてさ、最近やっとこか風土感もでてきてるよ」


”不思議だ…。こうして外部の私的な付合いの女性にレジェンヌプロジェクトの説明を施してることで、自ら企画したキャンペーンを主導してる自分にも、支社HPひとつ、いつもとは違った視覚から入ってくるんだ。そのことで、今まで見えなかった側面が目に映ってくる…”


トシヤはサヤカ自らが手掛けているレジェンヌキャンぺーンの各支社のHPを、言わば肩から力を抜いて一緒に見ることで燈台元暗しを痛感していたのだ。
いや、痛感することができたのだろう…。


***


トシヤとサヤカがホテルに着いたのは夜9時前だった。
二人一緒にシャワーを浴び、その後、レジェンヌの試供品をそのたらこ唇に塗ったサヤカは、素っ裸で同じ格好のトシヤの正面に立っていた。


言うまでもなく、すでにトシヤはエロモードに達していて、すぐさま自らの裸身を真っ黒なサヤカのカラダに押し当ててから、両手で彼女の肩を抱き寄せると、そっと唇を合わせた…。




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