阿弥陀仏の呪い
「で、でも……、たとえアオイちゃんが悪い人たちと付き合ってたからって、カレンちゃんは別に悪いことしてないでしょ……」

「ううん……。実はね、リョーコ……」
 

カレンちゃんは、しばし言い淀んだ後に……


「実はね。私たち、援助交際してたの」

「えっ……」


初耳でした。まさか、アオイちゃんとカレンちゃんが、そんなことを……


「私は一回だけ……。アオイに誘われて、一回行っただけ……。それで、おじさんと一緒にデートして……。お小遣いを少し貰って……」

「アオイちゃんは?」

「アオイは結構やってたみたい。ヒロシって人がいて、その人がアオイにお客さんを紹介してたの。こないだの電話もたぶんヒロシから……」


カレンちゃんが隠していたのはこのことだったのです。

ということは、昼、刑事さんが言っていた「別のヤマ」とは、少女売春の斡旋に関わることだったのでは……。


「ねえ、でも、それだとやっぱりアミダさまのせいっていうより、何かの事件に巻き込まれた可能性の方が高いんじゃないかな?」

「それがね……」


それからのカレンちゃんの話は、まさに身の毛もよだつようなものでした――。
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