阿弥陀仏の呪い
「これを見て」


サクラちゃんは数冊の本を広げました。

良く分かりませんでしたが、『正信偈』とか『歎異抄』とかタイトルに付いており、一見すると何かの解説書のようです。


「これ、この漢字。カエデちゃん、読める……?」

「あ、あや、へび……」

「ちがうの、これ、阿弥陀(アミダ)って読むのよ。それから、ここ」


サクラちゃんは本の一節を指し示します。

そこには「南無阿弥陀仏」と書かれていました。


「なるほど、これがナムアミダブツってことね……」

「そう、リョーコちゃん、その通りよ。アミダさまも呪いの呪文も、ちゃんとこの本に書かれていたの」

「やっぱり、最近できた都市伝説じゃなかったんだ……」


マーヤちゃんは、あの時、秋葉原刑事が言っていたことを思い出していたようです。

秋葉原刑事は見た目40代前後。

だとすると、アミダさまの話はもしかすると30年以上前からあったのかもしれません。


「何か対策法は載ってないの? 吸血鬼にだって、狼男にだって弱点はあったわ。アミダさまの弱点はないの?」

「ううん……。そこまではまだ見つかっていないの。それを今からみんなで探しましょう」


サクラちゃんの指揮の下、私たちは一斉に文献に当たり始めました。
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