阿弥陀仏の呪い
6、降魔成道
「ふうん、それで……?」
たとえば、私の目の前にいる、この刑事。
「それで? 結局、キミがやったの? どうなの?」
取調室にいる私は、いま連続女子高生失踪事件の重要参考人として、目の前の刑事から取調べを受けています。
彼は初めから私を頭ごなしに犯人と決めつけ、私の言を信じる気は毛頭ないようです。
アミダさまの話は何度もしましたが
「あのね、くだらない作り話はそろそろやめて欲しいんだ。こっちもね、忙しい身だからね」
まともに取り合う気はまったくないようです
秋葉原刑事はただ一人だけ私の言葉を信じ、署内でも大分掛け合ってくれたようですが、先日、北方領土へ異動になったと聞きました。
「ねえ、お嬢さん? 状況からしてね。あんた以外に考えられないんだよ。青井さんと可憐さんはともかくとして、他四人。これ、あんたが関わってるのは間違いないだろう。なあ、そろそろ吐いて楽になっちまえよ」
取調べは続きます――。
ですが、私は彼に対し、何も想うところはありませんでした。
あのときのマーヤちゃんと同じで――。
怒りも、憎しみも、悲しみも、
いかなる負の感情も、目の前の刑事に対し抱くことはなかったのです。
たとえば、私の目の前にいる、この刑事。
「それで? 結局、キミがやったの? どうなの?」
取調室にいる私は、いま連続女子高生失踪事件の重要参考人として、目の前の刑事から取調べを受けています。
彼は初めから私を頭ごなしに犯人と決めつけ、私の言を信じる気は毛頭ないようです。
アミダさまの話は何度もしましたが
「あのね、くだらない作り話はそろそろやめて欲しいんだ。こっちもね、忙しい身だからね」
まともに取り合う気はまったくないようです
秋葉原刑事はただ一人だけ私の言葉を信じ、署内でも大分掛け合ってくれたようですが、先日、北方領土へ異動になったと聞きました。
「ねえ、お嬢さん? 状況からしてね。あんた以外に考えられないんだよ。青井さんと可憐さんはともかくとして、他四人。これ、あんたが関わってるのは間違いないだろう。なあ、そろそろ吐いて楽になっちまえよ」
取調べは続きます――。
ですが、私は彼に対し、何も想うところはありませんでした。
あのときのマーヤちゃんと同じで――。
怒りも、憎しみも、悲しみも、
いかなる負の感情も、目の前の刑事に対し抱くことはなかったのです。