阿弥陀仏の呪い
「やあ、キミ、ちょっといいかな」


放課後になり、マーヤちゃんと一緒に校門をくぐった私は、ハゲで太ったおじさんに突然話しかけられました。


「私はこういうものなんだがね――」


おじさんは懐から警察手帳を取り出し、秋葉原ユーキと名乗りました。


「キミたちのお友達について、ちょっと聞きたいんだけどね」


私たちは、その時点でアオイちゃんのことだと分かりました。


「キミのお友達の青井さん、今日、学校来なかったよね?」

「は、はい……」

「それで、青井さんは一昨日の晩まで一緒にいたよね?」

「はい……」

「途中で、青井さんは一人で抜けて、迎えに来た誰かの車に乗った。ここまではいいよね?」

「はい」

まさか、アオイちゃんの無断欠席に、何か事件性が……。

私がそんなことを思っていると、刑事さんは突然に、


「ねえ、キミたち。ひょっとして青井さんがどこにいるのか知ってるんじゃないかな?」

「えっ!」

突然にそんなことを言い出したのです。

まさか、私たち……疑われてる…………。

私たちはあわてて首をぶるぶると振りました。

秋葉原刑事は納得のいかない様子で「ふうん」と首を傾げましたが、本当に分からないのだからどうしょうもありません。


「いや、すまないね。突然こんなことを言って。別にキミたちを疑ってるわけじゃないんだ」

「あの、アオイちゃんがどうかしたんですか……?」


たまらなくなったマーヤちゃんが口を開きました。


「いや、まだね。どうかしたかも分からないんだ。ただ、青井さんね、一昨日の夜から行方不明なんだ」

「行方、不明…………」
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