おじさんフラグが二本立ちました

序章

仲のいい両親と仲の良い姉妹

八つの歳の差もあって両親と姉
三人からの愛を一身に受ける妹


永遠に続くと思われた家族四人の幸せは
妹が十二歳で脆くも崩れた




『あなたに似たみよを見ると苛々するの』



刃のような言葉は
妹の胸に深く突き刺さった






・・・






母は後悔していた


夫の浮気を疑った日
本人が聞いているとも知らず
傷付けた愚かな自分を・・・


取り返しがつかないと知ったのは

娘が自分を拒絶し、義妹の家で暮らすようになってからだった


戻らない幸せを憂う日々


二年後、家に戻ってきた娘との間には埋められない溝が生じていた


それでも・・・
母親とは名ばかりの贖罪の日々が
十二歳の心を傷付けた代償になればいい


母は腫れ物に触るように娘に接した







・・・






妹が求めるのはひとつだけ



ただ、愛されたい





未来永劫


欲しいのは不変の愛だけ