おじさんフラグが二本立ちました


ーーーーー翌朝


食事をする彬を見ていると

コンコン

「おはよう」
院長が入ってきた


「仲直り出来たようだな」


「あぁ」


「みよちゃん朝ご飯に行こうか」


「は~い」


ベッドからストンとおりて
彬に手を振った






「みよちゃん今日はいつもの店が定休日だから車で出かけよう」


「うん」


十分ほどで着いた店はログハウスだった


「めちゃくちゃ可愛い」


「みよちゃん好みだと思って」


院長は私の心を掴む天才かもしれない


店内は言わずもがなカントリー調

テーブルも椅子も丸太を削って作られたもの

程よく仕切られた個室は
ゆっくり過ごせるよう配慮されている


「コーヒーは何にしようか」


「みよはアメリカン」


「じゃあ同じにしよう」


コーヒーだけを注文すると
パニーニのサンドとフルーツがついてくる


「パニーニ好きなの」


「俺のも食べて良いよ」


自分の皿を指差す院長


「そんなには食べられないよ」


「ハハハ、そうだよな」


院長と居ると優しい時間が流れる


「パニーニとみよの写真撮って」


「うん」


携帯電話を院長に渡して撮って貰うと
そのまま彬に送信した

もちろん、直ぐに着信音が鳴り始めた


「な~に」

(食べたら寄り道せずにすぐ帰ること)

「はいはい。じゃあね」


「彬何だって?」


「寄り道するなって」


「面白い奴だよな
みよちゃんのことが余程心配なんだな」


「そうなの?ちょっとウザイよね」


「はじめて恋してるんだと思うよ
ウザイのも我慢してやって」


「飽きるまでね」


「・・・え
結婚するんじゃないの?」


「しないよ、だってみよは十八歳だもの」


「やりたいこと沢山あるよな」


「だから結婚とかないね」


「彬はすぐにでも結婚したいんじゃないかな」


「お試し中なのに結婚とか
占いも二十歳なんて言われるし
大学生で嫁ぐとか、意味不明」


「おじさんと付き合うからだよ」


「時間を巻き戻して欲しい」


「そういえば。みよちゃんって誠愛だったよね」


「うん」


「俺に会う可能性大だよ」


聖愛で院長に会う?


「俺は校医だからね」


答え合わせの意外さに驚いた


「・・・え、知らなかったんだけど」


「今年からだけど、交代で行ってたから知らなくて当然かも」


「見掛けたら声掛けるね」


卒業式まで登校しないんだけど
大学でも会うかもしれない

彬と同じ三十歳の院長とのお喋りは
違うタイプだからというのもあるのか
いつも時間を忘れていた







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