ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?
 そのとき、前を行く二頭の馬が停止した。

 そして、わたしが追いつくのを待ち、左右にはさんだ。

 三頭は、停止している。

 ちょうど木が途切れた地点である。

 木漏れ日がキラキラ輝いている。遠くや近くで、小鳥たちの囀りや羽音がする。

 それ以外に音はない。

 穏やかでやさしい空間……。

 自然の穏やかさを感じていると、両脇から真っ白いハンカチが差し出された。

< 101 / 759 >

この作品をシェア

pagetop