ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?

若き将校たち

「レディ、落ち着きましたか?」

 右側の青年が尋ねてきた。

「ぼくの台詞をとられた」

 左側の青年がつぶやいた。

「はやいもの勝ちだ」
「そうなの? では、レディ。ハンカチは、ぼくのを使って下さい」
「いいえ。レディ、おれのをどうぞ」

 二人は、両脇から馬ごとぐいぐい迫ってくる。
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