ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?
「ありがとうございます。では、お言葉に甘えてお二人のハンカチをお借りします」

 まずは左側の青年のハンカチを受け取り、左側の目を拭いた。それから、右側の青年のハンカチを受け取って右側の目を拭いた。

「レディ、やさしのですね。ですが、そんな奴に気を遣う必要はありませんよ」
「レディ、彼の口車にのってはダメです」

 左側の青年が言い、右側の青年がやり返した。
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