ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?
「ぼくも、めずらしくジークと同意見です。チカ、不安なのですよね?」
「ええ、シュッツ。不安ではないという方が嘘になりますよね?」
「すみません。こればかりは、ぼくらでもどうしようも出来でません。たとえぼくらが『陛下は他人がうらやむような美貌で、やさしく温厚で明朗で気遣い抜群で太っ腹で望みを何でもかなえてくれる、聖人もびっくりするような人』と伝えたところで、あなたの不安は消え去らないでしょうから」
シュッツの言い方に、思わず笑ってしまった。
「ええ、シュッツ。不安ではないという方が嘘になりますよね?」
「すみません。こればかりは、ぼくらでもどうしようも出来でません。たとえぼくらが『陛下は他人がうらやむような美貌で、やさしく温厚で明朗で気遣い抜群で太っ腹で望みを何でもかなえてくれる、聖人もびっくりするような人』と伝えたところで、あなたの不安は消え去らないでしょうから」
シュッツの言い方に、思わず笑ってしまった。