ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?
「その……」

 自分でもクラウスのことをどう思っているのかわからない。
 ドキッとしたりやましい気持ちになったことの意味が、よくわからないでいる。

「シュッツ、そんなデリカシーのないことを尋ねるか? チカは、陛下に嫁ぐんだぞ。それを、他の男性のことをどう思うかって……。尋ねられて、『不躾だから不愉快でした』とか『態度が気に入らないから嫌いです』とか答えられるか?」

 ジークは、呆れ返ったようにシュッツに指摘した。
< 120 / 759 >

この作品をシェア

pagetop