ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?
「チカ、すみませんでした。たしかに、ぼくの質問は気の利いたものではありませんでした。お蔭で、ジークの本音をきくことは出来ましたがね」
「はあああ? チェッ、おまえだってそう思っているだろう?」

 二人は、顔を見合わせ舌を出した。

 また笑ってしまった。

 二人は仲が悪いと見せかけて、じつは息がピッタリ合っている。そんな気がする。

 わたしを笑わせようと、わたしの不安を軽減しようと、わざと言い合いをしているように感じられる。

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