ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?
 二人は、クラウスと別れた直後にグズグズ泣いていたわたしの様子から、だいたいのことを推測しているはず。わたしがクラウスのことをどう思っているのか、わざわざ尋ねなくてもわかっているに違いない。

「どちらにしても、あなたも彼のことを悪くは思ってはいないということですよね。よかったです」
「はい?」

 シュッツの最後の「よかったです」の意味が、よくわからない。

 何がよかったのかしら?
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