ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?
 静かにすごすには、ここは絶好の場所だわ。

 つかず離れずでついて来ていた兵士たちが、いつの間にか追いついて来ていた。

 ジークが合図を送ると、三名の兵士が馬から飛び降りてこちらに駆けて来た。

「馬は、彼らが面倒をみてくれます」

 シュッツに言われたので、すぐに飛び下りた。

「失礼いたします」

 わたしと同年齢か少し年上っぽい兵士が、わたしの牝馬の手綱を取ってくれた。
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