ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?
メガネの汚れを乗馬服の上着の裾でさっと拭き取り、もう一度見直してみた。
「絵が好きなのですか?」
ジークとシュッツが、うしろから近づいて来た。
「残念ながら、あまりよくわかりません。いままで、美術館などで鑑賞するという機会があまりありませんでしたから。宮殿や屋敷に飾られていることはありましたが、チラッと見るだけでした。ですが、この絵はなぜか惹かれるのです。バーデン帝国の有名な画家の作品ですか?」
「絵が好きなのですか?」
ジークとシュッツが、うしろから近づいて来た。
「残念ながら、あまりよくわかりません。いままで、美術館などで鑑賞するという機会があまりありませんでしたから。宮殿や屋敷に飾られていることはありましたが、チラッと見るだけでした。ですが、この絵はなぜか惹かれるのです。バーデン帝国の有名な画家の作品ですか?」