ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?
 彼らは、わたしを味方につけようとするかしら?

 だけど、わたしを味方につけても仕方がないわよね。

 いずれにせよ、今回の移動は面倒くさいことになりそうね。

 どんなふうに演じるか、情報を得て決めようと思っていた。だけれども、結局決めかねてしまう。

 とりあえずは、様子をうかがってからね。

 それにしても、娘みたいなよそ者をもらおうだなんて、どんなおっさんなのかしらね。

 面倒くさいと思いつつも、物珍しさもある。

 頭の中であれこれ考えつつ、十一番目の側妃マーヤにお礼とさよならを告げた。
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