ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?
 勇気をもらった気がする。

 そして、奥へと向かい居間の前に立った。

「中にどうぞ」

 つぎは、シュッツが急かしてきた。

 扉のノブをつかむ手が、緊張で震えている。

 一瞬、この中にだれもいないかも。などと考えた。だけど、それはないわよねと考えなおした。

 だれもいないのであれば、二人は居間ではなくだれか人のいる場所に案内するはずですもの。

 ノブをゆっくり回し、そして扉を開けた。

 その瞬間……。
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