ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?
「ゾフィ、いやだわ。そんなことを言ったら、どんな素敵で美味しい料理かと勘違いされてしまうでしょう。お義母(かあ)様、見た目や味はあまり気になさらないで下さいね。ですが、お義母(かあ)様のお誕生日が思い出深くなるよう、心を込めて作ったことにかわりはありませんので」

 リタは、そう言いながらもゾフィ同様ぐいぐいとわたしの手をひっぱり続けている。

 お誕生日?

 そうだった。今日はわたしの誕生日だった。

 だけど、どうして彼女たちが知っているの?
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