ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?
 ジークはリタの隣に、シュッツはゾフィとわたしの間に、それぞれ椅子のうしろに立った。

「チカ。いえ、義母(はは)上。だまして申し訳ありません」

 ジークが椅子に座ることなく言いだした。

「じつは、おれたちが『獅子帝』の息子なのです」
「はい?」
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