ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?
「嘘、ですよね?」

 リタとゾフィを交互に見つつ、尋ねる。

「嘘ではありません。夫たちの言う通りです。そもそも夫たちとの出会いも、仕事上だったのです」
「そうです。わたしたちは、かならずや命令を遂行してまいりました。最後に与えられた命令以外は、ですが」

 彼女たちは、美貌にさわやかな笑みをたたえている。

 いえ。言っている内容と顔がまったく合っていないわ。
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