ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?
 まさか、そういう感じなの?
「とりあえず、そういうもろもろのことは後程にしましょう。せっかくのスープやバーベキューが冷めてしまう」
「もう冷めてしまったよ。とにかく義母(はは)上、話はあとでゆっくり。せっかくの誕生日なのに、ぼくらの料理で申し訳ありません。ですが、不味くはないと思います」

 ジークとシュッツの申し出に異存はないわ。

 お腹がすいていては、何事も先に進まないから。

 緊張は、すっかり解けていた。

 そして、全員で「いただきます」をした。
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