ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?
「お義母(かあ)様の好みがわかりませんので、下手に準備するのもどうかなって話をしていたのです」
「そうなのです。好みでない物を贈られても迷惑なだけですから」
「どれだけ迷惑なことか。迷惑きわまりないのに、にっこり笑って『ありがとう』とか『これは素敵だ』とか、お愛想をしなければならない」
「ああ、あれは苦行だな。でっ、一度か二度は、贈ってくれた人の前で着用したり使用したりしなければならない」

 ゾフィ、リタ、シュッツ、ジークの順に言い、同時に溜息をついた。
< 178 / 759 >

この作品をシェア

pagetop