ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?
 とりあえず、居間で話をすることになった。

 長椅子に皇帝とわたしが並んで座り、ローテーブルを挟んだ向かい側にはジークとリタが座った。ゾフィとシュッツは、ふつうの椅子をひっぱって来てそれに腰かけた。

「『獅子帝』の正体がこれ、なんだよな」

 ジークは、右手を閃かせて皇帝を示した。

義母(はは)上。誤解のないよう伝えますと、陛下の態度はどんなレディに対してもというわけではありません。まぁ、たしかに男性に対してよりかは不愛想ではありますが。すくなくとも、メロメロ状態なのは義母(はは)上が初めてのことです」
< 205 / 759 >

この作品をシェア

pagetop