ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?
「ああ、そ、そうだな。その、チカ。きみの、きみの気持ちなのだ」
「はい? わたしの気持ち?」
「そう。きみは、その、おれに嫁ぐようルーベン王国から来たわけだろう? きみの意思に関係なくだ。だから、イヤな相手に嫁ぐ必要などない。そのように思うのだ」

 わたしの緊張がほぐれてくるのと同じように、彼もじょじょに緊張がほぐれているみたい。

 こんなふうに感じることが出来ているだなんて。
 もしかして、わたしっていま余裕があるってこと?
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