ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?
「三人とも感激屋なのです」
「それはもう手の施しようがないほどです」

 リタとゾフィがこっそり、というには当人たちにきこえる程度の声量で教えてくれた。

 そういえば、以前にも同じようなことがあったような気がするわね。

「さぁ、陛下。それからジークとシュッツも、涙を拭って鼻をチーンして下さいな」

 ゾフィが言い、リタと二人でハンカチを渡すと、三人とも素直に涙を拭った後に鼻をチーンした。
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