ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?
「あらためて、チカ。誕生日おめでとう」
「ありがとうごさいます、陛下」

 リタとジークがお茶を淹れ直してくれた。それから、クッキーの追加を運んでくれた。

 すっかり落ち着いた皇帝は、いまはもうクラウスのときのように堂々としているように見えなくもない。

 わたしもまた、彼がクラウスだったときと同じようにリラックスしている。
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