ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?
 そんなふうに思いついた瞬間、「ブフッ!」と音がした。

 具体的には、皇帝が隣で紅茶をふきだした音である。

 シーンと静まり返った。

 静かだった居間が、よりいっそう静かになった。

 はい? 

 ひどい顔というのはわかっているけれど、反応がないよりかはいっそ大笑いしてくれた方がいいのだけれど。

 だって、無反応だといたたまれないから。
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