ド底辺の「たらいまわし王女」の私が「獅子帝」と呼ばれるおっさん皇帝に嫁いだら、超溺愛が始まりましたが……。あの、これって何かの間違いではありませんか?
「腹が減っているだろう。居城までいましばらくかかるから、ゆっくり食うといい」
「グルルルル」

 クラウスが勧めてくれている間に、わたしのお腹の虫が騒ぎだした。

 いまの音、彼にきこえたかしら?

 きっと馬車の音できこえなかったよね。

 そう願わずにはいられない。
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